WORLD PC EXPO 2000 レポート(2)

その(2)ではDoCoMo以外のWinCEを扱うブースの展示内容をメインに雑感を交えつつ書いてみたいと思います。


MicroSoftブース

MicroSoftステージ遠景

今回のWinCE関連の展示で最も力がはいっていたのは文句無しにMicroSoftのブースでしょう。

大型スクリーンを2面設置したステージ前の座席には44台(私調べ(^^;)のE-700が据えつけられ,画面とコンパニオンさんの指示に従いながら実機操作を体験することができるという力業なプロモーションが行われていました。

# ちなみにプログラム的にはWindowsMe,Windows2000,WindowsPowered(Pocket PC)という3製品を軸にした物でした。

# Meを親しみやすいヴィッツに2000を先進の機能を搭載したMR-S(どちらもTOYOTAの車)にそれぞれなぞらえる為だけに『実車』をステージ両脇に展示するという意味不明な豪快っぷり。さすがはMS…(苦笑)

面白かったのは標準搭載アプリに混じって,サードパーティ製MPEG再生ソフトの『PocketTV』が使われていた点でしょうか。

# モバイルビデオプレイヤーだと独自形式なのがいけないのか…と思いきやMPEGであることは特に前面に押し出していませんでした。やはり単一の機種の独自要素をアピールするのはまずいという判断なのでしょう。

ちなみにそれらのE-700にはパスワードが設定してあり,休憩中に設定をいじられないように配慮されていました

# もっとも1回プロモーションを見てしまえばパスワードは分かってしまいますから,あくまで保険程度で後はパスワードもかけられますというデモの側面もあるのでしょう。

こんな感じでステージ前にE-700が並んでいます

余談ですが休憩時間毎に係の人がリセットして環境を統一していました(笑)

# 無論爆遅回避というよりは,全機を同一の状態に保つための配慮なのでしょうが。

その他にも国内発表済みのH/PC2000マシン…新MobileGearII,新Terios2種と発売済みPocket PC…E-700,Jornada548,それらに加えてシグマリオンと英語版iPAQの実機を体験できるようになっており,各機種のパンフレット(Telios除く)もきちんと置いてありました。

# InterLinkとPocket PC for DoCoMoはショーケース内の展示。

iPAQの使用感

外部ストレージ用スロットを全て外付けのExpansionPack(展示は本体のみ)に追い出してしまっただけあって,とても薄くて軽いです。

本体正面下についているスピーカ内蔵のカーソル兼決定(Enter)ボタンは予想に反して中々の高感触でした。押し込み時と左右移動でもう少しクリック感があれば…とは感じたものの操作ミスの誘発や強度不足による破損はまずなさそうな感じです。

反射TFT液晶は展示された環境ではやや青みがかって見え発色という面ではE-700に劣りますが,視野角においてはいい勝負…あるいはやや優っているかも知れません。

ちなみにJornada548のSTNとの比較だとTFTの意地を見せて発色はやや勝るといった程度ですが,視野角は圧勝です。

# というかやはりSTN液晶では視野角は全く比較対象になりませんね(^^;

動作速度は確かに心持ちE-700より高速な感じですが,展示機レベルのアプリケーションをちょっと触った程度では『圧倒的』と言える程の違いは感じられませんでした。

# これまたJornada548と比較すると圧倒的に違うような感じではあります(苦笑)

外部ストレージを捨てられる人。あるいは大型化を我慢できる人は迷わず買いではないでしょうか。

# ExpansionPackを薄型に改造(基盤自体は小型だという話です)するという手もありますが(^^;

これまた余談ですが,自分のE-700とiPAQを並べて視野角を比較していた所,MicroSoftの社員とおぼしき方(全員E-700を装備)が『もう持ってらっしゃるなんて凄いですね』と話しかけてくださったので,『WebSiteを開いているんでそのネタも兼ねて発売日に購入したんですよ〜』などと応えた所…

使用感などの感想を求められたので,Ps/PCとの比較で褒めた後に『でも雑誌での露出も低く製品の良さがユーザに伝わっていない』『開発環境が折角無料提供されるようになったのに日本語版の日本での配布が遅れている』『総じてアピール不足』とか色々と苦情を述べたててしまいました(苦笑)

地雷を踏んでしまったとか思われていないといいのですが(爆)

# いや,1ユーザとしてこの辺は痛感している箇所なので一刻も早い改善を望みたい所です。

CASIOブース

CASIOステージ遠景

意外や意外。 次に力がはいっていたのはなんと『サイトが更新されない』『オプションも出ない』『広告打たない』のCASIOブースでした(爆)

正面ステージはE-700オンリーでビジネスマンの一日を追いながら各機能の紹介をするという『カタログと全く同じ』構成でした。

# E-700のパンフレットがWORLD PC EXPOのために特別にあつらえたかのように見える程そのまんまです(^^;

主人公(名前失念しました(^^;)がスクリーン裏に回ると画面に登場するという今日では牧歌的とも言える演出だったのは,画面との同期はきちんととれていたので不問としましょう(苦笑)

やはりWindowsマシンとの親和性を前面に押し出してビジネスマンに売り込みたいということのようです。

# で,何故あのデザインなのかは謎です(^^;

# 売れはするけど熱心なファンは付かない路線のような気はしますね…

ステージ以外でもE-700を計1ダース(正確に数えた訳ではありませんが)程用意し,さらに音楽再生機能展示にはヘッドフォン。その他の機能展示には1台につきAKIAのノートPCを1台付けるという豪華な構成の体験コーナー,ビジネスマン向けの講習会スタイルの機能説明セミナーなど中々に気合の入った展示内容でした。

E-700につなげない物を今更展示すると言うのも…

その他のCE関連の展示としてはバーコードリーダを装着したDT-5000(デカイ!)や既存機種のモノクロビジネス向けPs/PC E-80,GPSソリューションなどが展示されていました。

# でも最新機種のE-700で利用出来ない物をE-503を使って展示するのはどうかと思うんですが(苦笑) >GPS

その他にはデジカメのQVシリーズを小ステージでアピール…してたのはいいんですが,水着のオネーチャンにE-700を持たせて撮影するというセンスは一体…防滴性能を付加した特別モデルだとでもいうのでしょうか?(爆)
あまりに馬鹿らしいので写真は撮りませんでしたが…

# って専門職みたいな方が張り付いていたのでひょっとすると雑誌取材なのかも…にしてもセンス悪いです。

…何やらCASSIOPEIAファンとは思えないような酷評っぷりですね(^^;;;

というわけで最後に1つ褒めてみましょう(笑)
カタログでは遊びの時間を演出するとか言いつつ『ソリティア』を遊ぶ姿が哀愁をさそっていましたが,こいつが別のゲームに変わっていました。

内容はというと…何やらアニメ絵っぽいイラストが書いてある謎のパズルゲームでした(スライドさせて数字を並べる要領で絵を完成させる)。

ってかえってダメダメな感じですか?(^^; CASIOからリリースされたりしないのかな?(爆)

その他のブース

あまりにもお寒いNECブース…題して『凍土高原』(苦笑)

次に気合が入っていたのは新InterLinkを擁するビクターですかね。

これまたステージ正面にズラリとInterLinkが並んでいました。
もちろん実際に触ることも出来ます。

で,その次が日本HPでしょうか。Jornada548を複数台(6〜8台くらい?)用意した専用の体験コーナーが設けられていて,自由に実機に触れることができるようになっていました。

お次,ブービー賞はシャープです。
新Teliosが各2台ずつ展示され自由に試用することが出来ます。

その他にも実機展示としてシャープスペースタウンから小説やマンガをダウンロードして読もう!という新しい活用スタイルのアピールなども行われていました。

MSを除くと独自コンテンツの提供を行っているのはZAURUSの資産を活用できるシャープだけです。
今後は優良コンテンツの有無が勝敗を決するようになることが予想されますから,他社との提携にしろ何にしろ他のメーカーさんにも頑張って欲しい所ですね。

で,注目の最下位はNECです。
実機が2機ぽつんと展示されているだけ。説明員さんも1人ついていらっしゃいましたが,完全に閑古鳥状態でした。

# もっとも単に私の見落としである可能性も否定出来ませんが…

あまりにも寒過ぎるので,ひょっとして『この機種はただの繋ぎか?』と思わず勘繰りたくなってきます。いや,私の希望的観測も入っているんでしょうが(苦笑)

追記

高木産業とASUSは見るのを忘れてました(苦笑)

新InterLinkの使用感

新InterLink

パームレストが手前に設けられたことで文字入力はかなり快適になっています。これなら長文入力も十分こなせるでしょう。

# ただし私はA-51upでブラインドタッチ入力する人なので過信は禁物(^^;

またCE機中もっとも見にくかったんじゃないかというくらいツラかったSTN液晶に換えて搭載されたポリシリコン液晶はとても綺麗で,前作に比して洗練されたボディデザインも相まって全くの別物のように見えます。

ヒンジ部分が今回も円筒形でTFT液晶なのにニッケル水素ってことは無いよね?と内心ドキドキしていたバッテリーもちゃんとリチウムイオン蓄電池でした。

とにかくマイチェンでお茶を濁している感のある国産H/PC2000マシンの中で唯一全面新設計となったInterLinkはイチオシしたい機種ですね。

ただし苦言を呈させてもらうなら,7inch(なのかな?)に(多分)XGA表示というのはやりすぎの感が無きにしもあらず…

追記

XGAではなくワイドSVGA(1024*600)の誤りでした。申し訳ないです(^^;

確かに細かい文字もはっきり見えて小気味いい密度感なのは間違い無いところなんですが,デフォルトの文字サイズでは殆どミクロの決死圏状態です。

この文字サイズでは中高年の方や目の悪い方にはかなり厳しいものがあると思います。

もっとも外部ディスプレイを使用したプレゼンテーション用途にはこの高解像度は生きて来るはずですが。

# この辺りはCASSIOPEIA FIVAの液晶に通じるものがあります。が,あっちはWin98ですからシステムフォントも手軽に大きさが変えられますし,何よりマルチウインドゥ構成ですからねぇ…

ちなみに本体カラーは写真の『アクアブルー』以外にも『サニーオレンジ』がラインナップされていました。

# 照明との位置関係から上手く撮影することが出来ませんでしたが(^^;

ちなみにカタログもちゃんと貰ってきたんですが,スペック表などはどうせウチがやらなくてもCE FANさんあたりが速攻で掲載してくれるでしょうから割愛させていただきます(爆)

さて,ようやく一通りのネタを書き終えたことですし,最後にH/PC2000について少々書いて終わりにしたいと思います。

注目のH/PC2000の動作速度ですが,総じて快適で今時のノートPCの操作感に近いと感じました。

# もっとも標準のアプリを短時間使用した程度では各機種の微妙な違いは分からないんですけどね(^^;

が,どうやらPocket PCと同じく爆遅モードも『撲滅された』とまでは言えないようです。

それと少々気になったのはIEが表示される際にオープン時に単に待たされるのではなく,メニューバーとアドレスバーが展開された後で一拍待たされるのが印象を悪くしているという感じを受けました。

これは会場にあったH/PC2000全機共通の挙動でしたので,OS側の問題(仕様)のようです。

読み込みまでの絶対的な時間はノートPCより早いくらいですが,イメージで損をしそうで少々心配ですねぇ(苦笑)

# IEの展開速度自体はPro機のシグマリオンを含めて皆似たりよったりな感じです。

# 少なくとも新MobileGearIIと新Teliosの差は並べて同時起動してみても私には全く分かりませんでした。