GEOMETRIC SPACE 雑記帳

注意書き

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2003/12/27

「2003年のマイPDA決定版」

「Mobile News」(http://www.mobilenews.ne.jp/)の山田さんからバトンを受け取りました,「GEOMETRIC SPACE」(http://www.geometric.jp/)の霧島と申します。はてなダイアリーを中心としたリレー企画ということで(認識あってるのかしらん),私にお鉢が回ってくるとはついぞ思っていなかっただけに,まさに青天の霹靂といった感じでビックリです。

と前置きはさておき「2003年のマイPDA決定版」ということですが,私は迷わず「HP iPAQ Pocket PC h1937」を挙げさせていただきます。私にとってのPDAとは「PC及びインターネット上の情報を文書/画像/音声種類を問わず切り出して蓄積,携帯するための道具」であり,『記憶』という自分の脳味噌がニガテな分野を補ってくれる,いわば「補助脳」のような存在です。 したがって,PDAにはPC(Windowsマシン)との連携のしやすさとビュアとしての快適さ,そしてなにより「携帯性」が求められることになります。

h1937より小さいPDAは以前からありましたが,機能が限定されていることが多く多様なデジタルデータをPCとシームレス(変換不要,手動転送不要)にやりとりするには能力不足だったように思います。

一方,PCとのファイル(PIM「データ」の同期ではなく,あくまでもPCの「ファイル」)同期に加え,音楽も動画※もといったマルチメディア要素(死語?)をPDAに持ち込んだのは,Pocket PCの先祖であるPalm-size PCの「CASSIOPEIA E-500」が最初だったと個人的には思っているのですが,今までのWindowsCEベースのパームサイズマシンはPocket PCと名乗ってはいるものの「Pocketに入るけれど入れたくないサイズと重量」のマシンばかり。

※ 音楽はMP3。動画は映像がMPEG1で,音声部分はWAVEという独自形式。

そこに今年登場したのが,h1937の前身となる「HP iPAQ Pocket PC h1920」でした。詳細は私のサイトのインプレ記事(http://www.geometric.jp/ce/h1920.htm)で述べているので割愛しますが,従来のPocket PCが備えていた基本機能を削ることなくかつてのPalm OSマシン並のサイズと重量に凝縮した素晴らしいマシンです。また,キャンペーン価格とはいえ,2万円を切る(5万円を切れればなどと論じていたシロモノが,です)直販ならではの大胆な価格設定も魅力的でした。

しかし唯一の拡張スロットであるSDスロットがSDIOに対応しておらず,日本国内で人気の高いPHS通信カードやその他の周辺機器が利用できないという弱点があったため,通信がニガテで利用者を選ぶマシンだったのも確かです。その弱点を克服したのが,h1937だったわけですね。

それ以外にも普通は気付かないような細々とした改善※が施されていますが,詳細はこれまた当サイトインプレ記事(http://www.geometric.jp/scrapbook/0335.htm)を参考にどうぞ。

※ 液晶の美しさとタッチパネル精度に関してはやや劣る印象があります。

もっとも,h1937にはCFスロットはついていませんし,クレードル接続端子からシリアル信号が出ていない関係で外付けキーボードを利用できない※といった弱点がありますから,これらを具備した「HP iPAQ Pocket PC h2210」をベストに挙げるべきではないかという声も聞こえてきそうです。

※ 赤外線を利用するTargus Universal Wireless Keyboardなら利用可能。日本語版OSでは動作不可との情報もありましたが,最新版ドライバには日本語版も含まれており個人的に動作確認済み。私の場合メモ書き用途が中心なので,「Decuma Japanese」で十分だったりしますが(苦笑)

実際「一般性」という点でいえばh2210の方に軍配があがると思うのですが,細かい使い勝手の面,たとえば……
ポケットからの落下防止に有用なストラップホールの存在,
ナビゲーションボタンとアクションボタンの分離による誤操作の少なさ,
アプリケーションボタンの押しやすさ,
メモリ周りの性能に起因する体感速度の高さ,
スピーカの音質の良さ(CLIE PEG-NX73Vよりは悪いですが……),
小ささを際立たせる本体デザイン,
リセット後の再起動時間の短さ,
入手の容易さ(苦笑)
といった目に見えにくいわりに直接ユーザにふれる機会の多い,いわばUI部分の完成度が高い点を評価しました。

ヘビーに通信をしたい(ローカルにログを溜め込みたい=2スロット必要)とか,メールの返事をPDAで書きたい(さすがに手書きだとキツイ)といった理由がないのであれば,はじめてのPDAとしても推薦できる機種に仕上がっているのではないかと思います。

もっともコストの関係か,マニュアルの整備状況に関してはPDF中心の上,内容的にもいまひとつな感じで到底初心者にオススメできたものではありませんが,その辺りの不満は現在執筆中のPocket PC入門記事にぶつけていきたいと考えているところです。

とまれ今年のh1937,h2210の登場により,E-500が筋道を付けた従来型のPocket PCはひとまずの完成をみたといったよいのではないでしょうか。が,逆に言えばE-500が登場してからの4年間SD CFの2スロット化といった例外を除けば,新たなビジョンを示せずにいるということもできるでしょう。

HP iPAQ Pocket PC h4150やh4350,TOSHIBA e800を見ると,とりあえずはネットワーク機能の内蔵と液晶の高解像度化,キーボード搭載などの方向に進むようですが,それらが単なる高性能化にとどまらず,PDAの使い方にも変革をもたらすようなソフトウェア面での改善にも期待したいところです。
と,偉そうなことをいいつつも具体的なビジョンは持っていない辺り,ダメダメですけれど(苦笑) <自分
# ローカル,ネットワーク上を問わず,必要なデータを音声による自然言語入力で高速検索してくれる〜ってそりゃ夢のPDAの範疇ですしねぇ(^^;

とりあえず「brighthand」の記事(http://www.brighthand.com/article/Big_Changes_for_Windows_Mobile?site=PPC)によれば,DirectXが載りさらにデータベース周りも一新されてパフォーマンスを改善する大変革がある「らしい」という話です。OSのVGAサポートを含め来年に思いを馳せつつ,駄文の締めくくりとさせて頂きたいと思います。

次は現在「All About Japan」のPDAガイドサイトでご活躍中の庄司さんにお願いすることになりました。トリを飾るにふさわしいコラムが期待できそうで,話をふった私も楽しみです 。 <プレッシャーかけてどうする(^^; <自分

蛇足

Palmマシン(CLIE PEG-NX73V利用中),MI ZAURUS(MI-E21利用中),リナザウ(SL-C700使用経験少々)とPocket PC以外にも様々なPDAがありそれぞれの良さがあるわけですが,PCとルーズに連携をとることを考えると,やはり同じMicrosoftのOSを搭載したPocket PCに一日の長があるかなといった感じです。書きかけの文章や読みさしのWebサイトのインターネットショートカット,Webから拾ってきた目的地周辺の地図画像などを変換,転送といった手順を意識せずに同期フォルダ※に置いておくだけで勝手に同期できるのは私のような不精ものにとっては何物にも代えがたい魅力があります。

※ 私の場合,日常的に作業フォルダとして同期フォルダを利用しており,メインマシン−サブノート間のファイル,PIMデータの同期はPocket PCを経由して行います。

蛇足の蛇足

もっともActiveSync経由でモバイルデバイス(Pocket PC)内のファイルを参照した際,ファイルを直接オープンできない点はそろそろ改善して頂きたいところではありますが。ActiveSync未導入環境でもマスストレージクラスとして認識できるのがベストですかねぇ。

ついでにいうなら,Pocket PCは2000→2002→2003と代を重ねるごとに安定度が損なわれている(特にアラーム周りが顕著)印象があるので,機能強化も大事ですが先に不具合をつぶして欲しい気もしますね。本文の締めと矛盾してますが(汗)

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