Piel Frama社製
iPAQ h5450 Chairman Wallet
レビュー 縮小版

「SONY CLIE PEG-NX73V/NX80V専用ケース」を借りるついで……というわけではありませんが,「iPAQ h5450 Chairman Wallet」も一緒にお借りすることができましたので,こちらも合わせて紹介してみたいと思います。

(記事公開日:2004/01/31)

参考リンク


はじめに (読まなくてもOK)

Piel Frama社製 iPAQ h5450 Chairman Wallet
ケース正面より
ケース正面内側
ケースを開けたところ
隠し(?)ポケットがあるのが分かります

みなさんが外出される時に最低限必ず持ち歩くものはなんでしょうか?ウチのようなサイトを見ている方なら「PDA」「サイフ」「携帯電話」は外せないところだと思います。外出時に持ち歩く荷物は少しでも減らしたいものですが,残念なことに日本では通話機能を備えたPDAやPDAに近い機能を実装した携帯電話といったものは現在販売されていませんから,PDAと携帯電話を一つにまとめてしまうことはできません。
# ま,今日日の携帯電話は十二分に高機能なので「PDAを捨てる」という選択肢もあるのでしょうが,個人的にもサイト的にも論外なので除外します(^^;

となると残る組み合わせは「PDA+サイフ」か「携帯電話+サイフ」ということになります。「携帯電話+サイフ」の方向で模索してみるのも面白いのかもしれませんが,ベルトポーチのようなものならともかく携帯電話をいちいちケースに入れて利用するのも面倒くさいだけでメリットが薄そうです。
# 現在各キャリアが実証試験を行っている「携帯電話+決済機能」といったアプローチもあるのでしょうが,それはさておき。

で,最後に残った組み合わせが「PDA+サイフ」ということになるわけです。人によって好みはありますがPDAであれば保護を目的にケースに入れて使っているひとも多いですし,実際私もh1900シリーズに移行するまでは常にでは無いにしろケースを愛用していましたから,革製のPDAケースと革のサイフをまとめられないかなと夢想するのはある意味自然な成り行きといえるでしょう。

……って実際には愛用していた安ザイフが壊れてしまったので,新たなサイフを選定するにあたってPDAケースも兼ねられたら便利『かも?』と思っただけの話だったりするわけですが。

そこで目を着けたのがこまもの本舗さんで扱っているPiel Frama社製ケースの「Universal PDA woman wallet」と「Universal PDA Wallet」でした。がこのケース(人気商品のため?)在庫が少ないとのことで,代わりにお借りしたのがこのiPAQ h5450 Chairman Walletです。

概観

ケースポケット部
仕切り板左側
ポケット類はこのような感じになっています

前置きが長くなりましたが,まずはケースの概観から。

本ケースは他のwalletケース(と便宜上呼称)と同じく(Piel Frama社製のケースには珍しく)横開きの構造を採用しています。ケースを開いて右側(左綴じの本であれば裏表紙に相当)にiPAQ本体※を収納するスペースが用意されており,反対の左側(表紙側)にはカード入れが5つとSDカードを入れるスリットが2つと(表紙との間に)ポケットがひとつ用意されています。
※ h5450用とありますが,ジャケット対応機種であれば一応利用可能です。写真は機材の関係でH3630。

また表紙側と裏表紙側の間には(本のページに当たる)仕切り板が装備されており,左面はシースルーポケット(写真or定期入れ?),右面(の表紙側との隙間。写真参照)にはポケットが1つついています。

iPAQ収納部に関しては,他のiPAQ用のケース※とほぼ同様の構造を採用しており,通信ポートやリセットボタン,ヘッドフォン端子(H36x0系なら電源端子)の部分には穴などが開いているため,問題なくアクセス可能です。
※ 詳しくは当サイトインプレ記事参照。

カバーの固定(ケースの閉じ)方法はベルトタイプとなっています。

実際に使ってみて

ケース下面
ケース下面 コネクタ類にアクセスするための穴が確認できます
横に並んでいるのはCDケース
ケース上面
私の手は小さい方ではありませんがちょっと厳しい感じでしょうか。

で実際に使ってみた感想ですが……h5x50シリーズが収納できるという時点で大きいのだろうなぁと想像していたのですが,やはり巨大ですね。バイブルサイズのシステム手帳を連想してもらうと分かりやすいかもしれません。デザイン的にも非常に似通った感じで,システム手帳感覚でバッグに入れて利用するためのケースなのでしょう。

また他のwalletケースがお札入れや小銭入れが用意されているのと異なり,本ケースの場合カード入れとポケットが2つあるくらいでサイフ替わりに利用するのも少々厳しそうです。
# まぁ,使う前から分かっていたことではありますが(^^;

その代わり他のwalletケースと違いPDA収納部は単なるPDAを入れるポケットではなくiPAQ専用のケース構造を採用しているため,いちいちケースから取り出さずに利用できるのは便利です。iPAQ本体上面と前面が大きく切りかかれているため,液晶の視認性や各種ボタン,指紋認証装置の操作性を損ねていない点も評価できます。

これだけ開口部が大きいと,きちんと本体をホールドしてくれるのか思わず心配になってしまいますが,これまでの元の同様前面フチの部分が3重構造になっていて芯が入っているらしく強度がでているため,利用中に本体が下にすっぽ抜けてしまうようなトラブルは発生しませんでした。
# 思いっきり振り回せば,話は別かもしれませんが(^^;


表紙と中ページに当たる部分は裏に折り返すことができる(写真参照)ので,『手が大きいひとなら』快適とは言わないまでも問題なく操作できるでしょう。
# 個人的にはちょっとメモに使うといった用途であれば問題ありませんが,腰を据えて使う気にはちょっとなれないといったところでしょうか。

最後に

ケース大きさ比較
CDケースと比較
本ケースの大きさが実感できるのではないでしょうか(^^;
h1937と比較
h1937と
小型のPDA向けに作成すれば,もう一回り小さくできる気がします

もともと私が意図していた用途に適さないケースだったため評価が難しいのですが,本ケースは他のwalletケース(実物は見たことがないわけですが……)と異なり,やや大柄の横開きタイプの『PDAケース』にカード入れなどを多めに装備して収納力をややアップさせたもので,初めにPDAのケースありきというデザインになっているのだと思います。

ただ大柄で持ちにくいこともあり,PDAを頻繁に取り出したり,長時間使い倒すといった使い方にはちょっと向かなそうな辺り,PIMやメモ書きといったシステム手帳置き換えとしてPDAを利用したいひと(Palm OS搭載機のバッテリ駆動時間にあるような一日にトータル30分も利用しないひと?)に向いた製品なのかもしれません。

外見的にもサイズ的にもシステム手帳ライクに仕上がっていますし(他のPiel Frama社製ケースの記事で散々書いているので繰り返しませんが),丁寧な造りと高い品質を備えているのでビジネスマンが持ち歩いても違和感がない点はありがたいと感じるひともいるのではないでしょうか。

ただ,個人的には本ケースの場合,収納力とPDAケースとしての使い勝手の二兎を追った結果使いづらくなってしまったようにも感じられました。実物を見た訳ではないので想像の話になってしまいますが,収納力を重視してケースが大型化してしまった場合,他のwalletケース2種のようにPDAを『収納するスペース』をもうけ,実際の利用時にはケースから取り出して使うというアプローチの方がより実用的なのではないでしょうか。

特に小銭を入れられるジッパー付きのUniversal PDA woman walletには魅力を感じます。
# 実際結構売れているのだとか。

もっともサイズ的には本ケースと似たようなサイズという話ですので,同じ荷物を減らしたいというアプローチでも,私の場合数もさることながら体積も気になるクチですので実用に供せるかどうかは微妙なラインかもしれません。

最近ではh1900シリーズを始め,h2210,h4150,GENIO e400,CLIE PEG-TJ25のようなコンパクトな機種も増えていますから,これらのPDA向けのひとまわり小さいサイズのUniversal PDA woman walletの登場に期待したいところです。

蛇足

こまもの本舗さんの製品紹介ページは写真が豊富で製品の機能を確認できるのは嬉しいのですが,細かい数値データが掲載されていない点が『今回初めて』不便に感じられました。思うに今回購入対象となったwalletケースは収納力を強化したり,対象のPDAを絞らない汎用ケースだったりしたためサイズのイメージが掴みづらく感じたせいではないでしょうか。

こうしたタイプのケースの場合,ちょっと気が利いたノートPC用のバッグの販売ページにはよくありますが,外寸と(PDA収納部の)内寸だけでも表示されているとありがたいかもしれません。

……とか書いておきながら,お借りしたケースの外寸を計り忘れたわけですが(汗) <今回のオチ(?)