CASSIOPEIA l'agenda BE-500インプレッション

Palm-sizeタイプとしては初めて,Pocket PCではなく組み込み用のWindowsCEを搭載したPDA。 CASSIOPEIA l'agenda BE-500(以降BE-500と略記。ただしシリーズ全体を指す場合はラジェンダと表記)。

本ページではそんなラジェンダを上位機種であり,Pocket PCデバイスでもあるE-700,E-750と比較しつつ,その実態に迫ってみたいと思います。

# 本ページを作成するに辺り,当サイト掲示板でのmunaさんQtaさん,他多数の方々の発言を参考にさせていただきましたm(__)m

参考リンク

はじめに〜ラジェンダとは何か?〜

BE-500&E-700正面
BE-500&E-700正面

本サイトをご覧になっている方であれば既にご存じでしょうが,CASSIOPEIA l'agendaはPalm-size(キーボードレス)のWindowsCEマシンにも関わらずPocket PCマシンではありません。
BE-500の個々の機能について語る前に,まずはその辺りを簡単に説明しておきたいと思います。

インプレ記事だけ読みたい人はこちら(笑)


ラジェンダとPocket PCの関係は一見すると非常に分かりにくそうですが,事実を順序立てて理解できれば,実はそんなに複雑な話ではありません。

まず,WindowsCEですが,これは本来Palm OSのようなPDA向けに作られたOSではありません。
家電や制御機器などPC以外の分野に食い込みたいMicrosoftが,各種組み込み用途向けにWindowsNTをベースに開発した(Windowsファミリーとしては?)コンパクトなOSがWindowsCEなわけです。

そのWindowsCEコアにペンタイプのPDAに最適化したシェル(とりあえず各種ユーザインターフェースを司る部分と理解すればよいでしょう)を載せて,さらにPocketOutlookをはじめとするPocketOfficeやPocketInternetExplorer,WindowsMediaPlayerなど専用のソフトをバンドルしたものが,OSとしてのPocket PCで,それを搭載したPDAデバイスもまたPocket PCと呼ばれるわけです。

# ちなみにPocket PCはかつてPalm-size PC(以下Ps/PC)と呼称されていましたが,マーケティングに失敗したため,前回のVer.UP時に心機一転呼称を変更しました。

# 詳しく(もないですが(^^;)はこちらを参照

で,今回CASIOから発売されたラジェンダはこのPocket PCの部分を利用せず,WindowsCEコアの上にCASIO独自のシェルとソフトを載せたデバイスなわけです。

# ちなみにWindowsCEを搭載した機器には『WindowsPowerd』なるロゴ(ブランド)が付きます。 一見するとWindows9x互換のようで紛らわしい限り…

なぜそんなことをするのかといえば,まずPocket PCはWindowsCEに余計なものが付いてくる分ライセンス料が割高になっています。
したがって,WindowsCEコアだけを利用することで,デバイス自体の価格を(浮いたライセンス分)安くすることができます。

また,意外と見落とされがちですが,Pocket PC 2002デバイスをみると明らかなように,Pocket PCはソフトウェアのみならず,ハードウェアの面でもMicrosoftが決めたガイドラインに従って作る必要がでてきます。

たとえばそれはCPU(これは2002から)だったり,画面解像度だったり,ボタン構成(カーソルとアプリケーションボタン必須)だったり,内蔵スピーカや赤外線ポートだったりするわけです。

このことは,ハードウェアのデザインの幅が限定され,本体のコストダウンや小型化を考えた時ハードメーカが不要と考える部分も省略できないことを意味します。

しかし,CASIOとしては従来から販売していたPocket PCと電子手帳の中間を狙うデバイス。 もっと露骨にいえばPalm OS搭載機と価格競争力を持ったラインナップを用意したかったため,今回の決断に至ったわけですね。

当然そこまでして何でWindowsCEなの?と思われる向きもあるでしょうが,WindowsCEというのは(仮にも(^^;)Windowsファミリーの一員のため,プログラムを作成する際にWin32 API(32bit Windows をコントロールするための命令セット)を利用可能で,普段使い慣れた開発環境と作り方でプログラムが作れるというメリットがあるためです。

# さらにラジェンダに関しては後のインプレ記事中でも触れますが,Pocket PCの前Ver.であるPs/PC用のアプリケーションの大部分が,修正なしにそのまま動いてしまうという直接的なメリットを享受できます。

そんな背景から登場した,CASSIOPEIAシリーズの末弟CASSIOPEIA l'agend BE-500,本機がどのような特徴を持ち,どのようにPocket PCとの差別化を図っているのか?以下,ハードウェア,ソフトウェアの利用面から私なりに分析していきます。

ハードウェア編

ラジェンダがWindowsCE搭載PDAの中でどんな位置づけにあるのか何となく理解できた所で,まずはハードウェアの面から,E-700を中心に比較しながらみていきましょう。

筐体について(サイズと重量他)

BE-500&E-700背面
BE-500&E-700背面

本機のハードウェアの特徴を語る時,真っ先に触れなければいけないのが,その筐体サイズと重量でしょう。

写真を見てもらえれば分かりますが,既存機種であるE-700と比較した場合,縦幅と横幅は明らかにひとまわり小さくなっているものの,厚さは大して違っているように感じられません。

もちろん搭載されている拡張カードスロットがE-700のSDカードスロットよりはるかに容積を食うCF TypeIIスロットであるという事実は忘れてはいけませんが,液晶サイズが3.8inch(だったと思います(^^;)から3.2inchと大幅に縮小されているわけで,いう程のことでもないなというのが正直な感想です。

しかし,重量に関していえば,全く別次元といってしまってよいでしょう。
150gを切ってこそいないものの,E-700と持ち比べてみると,それぞれが『金属製』と『プラスチック製』であるかのような錯覚を受けるほど,受ける感覚が異なっています。

『(WindowsCEを搭載した)PDA最軽量』とかいう胡散臭い売り文句はともかく,市販されているWindowsCE搭載PDAとしては初めて,『胸ポケットに入れてもいいと思える重量』を達成したマシンだといえるのではないでしょうか。

# もっとも胸ポケットのボタンを閉めるには,筐体サイズ(特に長さ)がちとネックになりますが(^^;

各機種サイズ


ちなみに,デザインについては…まぁ,好みの問題があるでしょうからここでは多くを語りませんが,実物の印象は思っていたほど悪くはない感じです。

ボディ裏の材質は梨子地のプラスチックで,ちょうどゲームボーイカラーのような感じになっており,本体前面のツートン部分はシルバーの上からクリアブルーを塗ってあるように見えます。

※ 限定色のコバルトの場合。

さらにその上からクリアーでも塗ってあれば高級感も出たのでしょうが,現状ではみる確度や光源によっては非常に安っぽく見えてしまうのはやや残念な所でしょうか。

なお,手に持った際のホールド感は,滑り止めになる梨子地の表面加工とCASSIOPEIA現行機種より一回り小さい筐体のおかげで中々良好な感じがします。

動作速度

搭載CPUはVR4131の166MHzとE-750の200MHzにそこ及ばないものの,なかなか高性能なものを搭載しています。

実際の動作速度も十分な速度を持っており,快適に〜といいたいところですが,残念なことに動作速度そのものは優速なものの,アプリケーションを起動する時や,電源投入直後。入力パッドの初回展開時などに,Ps/PCのような感じで一拍待たされる感覚があり,体感速度を悪化させてしまっています。

# とはいえ実際のPs/PC程待たされるというわけではありませんが(^^;

日頃Palm OS搭載マシンや200MHz級CPUを搭載したPocket PCを利用している人は,少々物足りなく感じるかも知れません。

トータルのイメージとしてはE-700程度と思ってもらってよいのではないでしょうか。

# 純粋な動作速度であれば,BE-500の方が明らかに早いです。

透過型STN液晶

BE-500の低価格化と小型軽量化に最も貢献しているであろうポイントが,この3.2inchの透過型STN液晶でしょう。

STN液晶ということで気になるのがその表示品質ですが,jornada系やsigmarion(I)のそれとは違って,かなり頑張っているなというのが正直な感想です。

32,768色が表示可能な上発色も極めて自然で,STN特有の発色ムラや縦縞などは全くといっていい程感じられません。

画面に少々粒状感が感じられ,黒ベタなどではややノイジーな印象も受けますが,事前にSTNだと教えられなければ普通の人は気にならないレベルの表示品質を実現しているといってよいのではないでしょうか。

ただ,反応速度に関しては善戦はしているものの,動きの激しいムービーを再生すれば残像が残りますし,JINZO Paintなどのお絵描きソフトを利用した場合には,線の色がやや遅れてじわりと濃くなるようなちょっと変わった印象を受けました。

とはいうものの,描画が追いつかず不快感を感じるといったレベルではありませんので,本機をマルチメディア端末として捉えた場合でも,十分な反応速度を備えているといってよいでしょう。

視野角に関してもTFTとは比べものになりませんが,実用上問題ないレベルを確保していると思います。

# 縦方向の方が良好です。

# 余談ですが,HAST液晶と異なり横方向の画面のギラつきは皆無で,横画面利用(ただしアプリケーション側の対応が必要)にも適しているといえます。

次にアウトドア派のモバイラーには気になるであろう,屋外(外光下)での視認性ですが…

これに関しては期待してはいけません(苦笑)

比較的強力なバックライトを搭載しているため,輝度を調節すれば,曇天下や大型店舗の照明下程度であれば問題なく運用できますが,直射日光下では努力すれば情報を読み取れないことも無いといったレベルで,E-700と同等か,やや劣る程度に留まると思ってもらって間違いないでしょう。

# それでもsigmarion(I)などよりは,はるかに善戦していますが(^^;

以上のようになかなかに優秀な液晶パネルであることは間違いありませんが,全ての面においてE-750辺りの透過型HAST(ハイパーアモルファスシリコンTFT)液晶と比較してはいけないことはいうまでもありません(苦笑)

# 他機種の反射型TFTであれば,室内利用に限っていえば精細さでは劣るものの,発色の自然さにおいては勝っているといえるかも…

なお,液晶サイズはかなり縮小されてしまったため,文字表示は当然細かくなりますから,目の弱い方には,正直かなり厳しいものがあると思われます。

# が,後に述べる通り,CASIOの独自フォントが搭載されているため,文字のツブレやニジミなどとは無縁です。

ちなみに,タッチパネルの精度は従来機種と同様,(私は)特に問題を感じませんでしたが,画面が小さくなっている分,指タップ(指で直接画面をタップする)は難易度があがっていますね(^^;

# Eシリーズは伝統的に各種ボタンの組み合わせによって,バックライト輝度とコントラストを簡単に変更できますが,本機ではボタン構成の変更により電源+カーソル同時押しにキーアサインが変更になっています。 上下でコントラスト,左右でバックライト輝度調整な点に関しては変更ありません。

駆動時間

BE-500&E-700側面
BE-500&E-700側面

バッテリが取り外し不可になってしまっただけに,気になるのがバッテリ駆動時間です。

もっとも取り外し不可とはいってもiPAQなどと違い,本体にある蓋がネジ止めしてあるだけで,リチウムポリマー蓄電池を採用したために交換不能とかそういったことではなさそうな感じです。

# マニュアルには,本体破棄時のバッテリの取り外し方が載っていました。

とはいえ,オプションで交換用のバッテリが用意されていない以上,本体の電池だけでやり繰りしなければいけないことに代わりはありません。

公称値は6時間ということでしたが,とりあえずいつも通り音楽の連続再生時間を計測してみました。
しかし,今回はWMP未搭載でWMA形式が再生できないため,CASIO標準の『音楽再生』(ソフト名です(^^;)で44KHz,128KbpsのMP3ファイル6曲をリピート演奏することで,これに変えました。

なお,本ソフトは再生中の画面表示OFFに対応しているため,この設定をONにしてあります。

# E-700以前の機種と異なり,E-750同様バックライトだけでなく画面表示自体がOFFになります。
また,本体スピーカがないため,ボリューム設定は最大にしたものの実際に音は出しませんでした。

# 実際の運用形態を考慮した場合,ヘッドフォンをつながなかったのは明らかに失敗でしたので,後日追試を行う予定です。

結果は297分(ATminiFinalにて計測)。
5時間弱ということで,公称6時間に比べまずまずの結果といえるのではないでしょうか。

PDAとしての実際に運用した場合や,連続通信を行った場合の駆動時間に関しては未だ調査中の段階ですが,フロントライトを点灯したiPAQよりはもつというのが私の印象です。

また,BE-500は オプションの外部電源パック(iPAQのジャケットのような形状をしているため,以下バッテリジャケットと略記)を利用することで,公称値6時間から15時間へと大幅に駆動時間を延長することができますが,これを装着した場合E-750よりも大柄になってしまうというデメリットがあります。

本バッテリジャケットは純粋に外部電源として動作するため,鞄にしまう時に装着することで本体への充電を行いつつ,実際に利用する際には本体のみを利用するといった使い方にも対応できる点は便利でしょう。

その他のハード

ボタン配置

本体側面のアクションコントロールが省略され,本体前面のボタンもゲームボーイライクなものから,iPAQなどと同じく中央にカーソルを配置したものになりました。

また,その両脇に左右2つづつ,計4つのボタンが配置されていますが,これらはPocket PCのようなアプリケーションボタンではなく,左から順にトップメニュー(標準のランチャ),OK(Enter),ESC,電源ボタンになっています。

その代わりに,液晶下部にアイコンメニュー(ハードアイコン)と呼ばれる,アプリケーション起動専用のシルク印刷タイプのアイコンが7つ並べられており,内右ハジの1つ(ユーザーキー,初期状態では設定が割り当てられている)には自由にアプリケーションを割りつけることができます。

# ちなみにレジストリを操作することで,メニューボタンと各ハードアイコンに対して任意のアプリケーションを割りつけることが可能です。 関連記事はこちら

# ハードアイコンに割り当てられているアプリケーションがアンインストール可能(後述)にも関わらず,ユーザーキー以外の設定は(レジストリを操作しないと)変更できず,File Not Foundとなる仕様は極めてお粗末といえるような…(苦笑)

本機はアイコンメニューを利用することで,アプリケーションの起動には不便を感じませんから(指タップでも実用に足ります),アプリケーションボタンの代わりにカーソルの左右に決定,キャンセルを行うためのボタンが配置されているこのボタン配置は,片手での操作を想定した場合,指の移動が最小限で済むことから,従来のボタン配列からの変更は順当な選択であると評価してよいのではないでしょうか。

各ボタンの実際の操作性ですが,カーソル以外の4つのボタンに関しては可もなく不可もなくといったところで,まずまずの操作性といってよいでしょう。
ボタン上の筐体が盛り上がっている(ボタン側が一段低くなっている)ため,不用意にボタンに触れて誤動作するようなこともなく,悪くない処理だと思います。

# ちなみにBE-500は従来のEシリーズと違い,電源ボタン以外のボタンを押しても電源が入りません。

が,カーソルキーに関しては上と左右に関しては問題ないものの,下方向がやや押しづらく感じられました。
一見すると上方向の方が短いので押しづらそうにも見えますが,ボタン表面に付けられたくぼみがちょうど指にかかるため,左右幅が狭くクリック感に乏しい下方向の方がかえって押しづらく感じるようです。
実用上問題が生じるほどのものではありませんが,アクションコントロールがわりに頻繁に利用することを考えると次期モデル(あるのかな?(^^;)では改善して欲しい所です。

# ちなみに,ボタン同時押し,斜め押しに関しては,手持ちのゲームが動作しなかったため現在未検証です(^^;

追記

BE-500版metarionでは斜め押しOKだったそうです。 この情報は本サイト掲示板上にてK.I.Mさんよりご提供いただきましたm(__)m

TypeIIスロット

本機もご多分に洩れず,ここ一年ほどの周辺機器(CFタイプPHS通信カードなど)の充実により,今時のPDAとしては必須用件ともいえるCF TypeIIスロットを装備しています。

GENIO e程ではないものの,小型軽量ボディにCF TypeIIスロットを搭載したことについては評価できると思います。
E-500同様CFスロット部が本体からやや盛り上がっていますが,ホールド感を損なうといった性質のものでも特にありませんから,許容範囲内といってよいでしょう。

ただ,PCカードユニット(以下PCカードジャケットと呼称(^^;)装着との兼ね合いもあるのでしょうが,スロットが蓋ではなくダミーカードな上,スロット背面に大きく切欠きが入っているのは好き嫌いが別れそうな気がします。
もっとも,BE-500は今時のCE機としてはメモリが貧弱な部類に入りますので,CFなどの外部ストレージはほぼ必須といってよいでしょうから,出先でダミーカードがなくて穴が空きっぱなしという状態には早々ならないとは思いますが(^^;

背面が大きく切りかかれていることについては,TypeIIカードの取り出し時などにはプラスになりそうですが,CF裏のレーベル面が汚れ易くなってしまうのが個人的にはちょっと気になりました。

また,TypeIカードをスロットに挿入した状態では(当然ですが)結構な隙間ができてしまいますから,やはり蓋はあるにこしたことはなかったかなとは思います。

# というのは簡単なんですけどね(^^;

ちなみに,PCカードジャケットは個人的に購入予定は無いのですが,PCカード駆動専用のバッテリも内蔵しているそうですので,東芝のモバイルディスクなど電気食いのカードも気兼ねなく使えそうな点はよさそうですね。
何にせよ(後追いでも何でも)こうしたオプションを用意したCASIOの姿勢は評価したいと思います。

ただ,本機のジャケットはiPAQのそれと違いCFタイプをつぶしてしまうため,2スロット運用ができるようになるわけではない点には注意が必要でしょう。

# ついでにいうなら,本体側バッテリへの充電用途にも利用でき無さそうな雰囲気ですね。

なお,Pocket PC同様CFを抜き差しすると本体電源が自動でONになりますが,これはおそらく(電源がOFFのままだと)Storage Card2,3,4といった具合にCFカードが誤認識されないようにするための対策だと思われます。

BE-500&E-700下面
BE-500&E-700下面

ヘッドフォンジャック

本機のヘッドフォンジャックは,本体下部にシリアルコネクタをはさむ形で電源コネクタと左右対称に配置されています。

一風変わった配置ですが,本体上部は本体横幅が短い上,CFスロットと後述のストラップ穴,スタイラスなどが装備されていますし,側面はジャケットを装着する関係でこの位置に落ち着いたのでしょう。

実際に使ってみると胸ポケットに本体を逆さまに入れることになり,必然的に本体下部に配置された各ボタンが上に来るため,後述の『音楽再生』ソフトを利用したさい,ボリュームコントロールやスキップ動作などのコントロールが容易に行えるようになるという意外なメリットもあり,さほど使いづらいものではないと感じました。

# ただし,ポケットに逆に入れる時,ストラップの種類によっては邪魔になる可能性はありますね(^^;

# 他にもCFタイプPHS通信カードを挿しっぱなしの人とか…

シリアルコネクタ

本体下部に装備されたシリアルコネクタは従来通りの形状をしているため,携帯電話接続ケーブルなど,過去資産が活用できる点は私のような従来ユーザにはありがたい所です。

が,本体の小型軽量化の余波か,E-700同様フタが取り外し式になってしまっているのはいただけません。
私はE-700の時に速攻で紛失しましたので,今回は早々に取り外して箱の中にしまってしまいました(苦笑)

# ちなみにE-700のものとは微妙に大きさが違いますので,流用はできません(笑)

ソフトウェアモデムによって,PDC(携帯電話),PHS(ドッチーモ含む),cdmaOne(パケット,回線交換共)に対応している点も従来通りです。
別途CF型PHS通信カードなどに投資しなくても,最低限の投資(接続ケーブル)でとりあえず通信が行えるのは国内メーカならではの利点といえるでしょう。

# CFスロットがふさがらないという物理的なメリットもあることですし。

ただし,FOMAはともかく,H"の64K通信にも相変わらず対応していない点は,大いに問題ありですね。

BE-500&クレードル
BE-500&クレードル
USBクレードル
USBクレードル

クレードル

従来機種のクレードルと比較して差し込み部分が深くなり,本体下部をしっかりと包み込む形になっています。

# これはバッテリジャケット装着時に本体下部が延長されるための処理と思われます。

安定感といった面では評価できる形状なのですが,PCカードジャケット装着時の重量を支えるためか台座部分の底面積も大きめで,プラスチッキーな質感も相まって無駄に大きく感じられるような気がします(^^;

また,BE-500はバッテリジャケットやPCカードジャケットを装着することによって,本体の厚みが変わるわけですが,これに対応するためにクレードルの背もたれ部分が安っぽいスライド式に…なっているのかと思いきや,もっと単純な構造が採用されており,単なる差し替え式でした(笑)

背もたれパーツをいったん取り外して,利用するジャケットに合わせてそれぞれの大きさに切られた溝に差し込み直すことになります。

# クレードルの左サイドの切欠きは背もたれパーツの抜き差し用というよりは,クレードルにバッテリジャケットを残したまま着脱するための配慮のような…

…堅実といえば堅実。 チャチといえばチャチな作りといえましょう(^^;;;

ストラップ

私がCASSIOPEIA Eシリーズのレビューを書く度に必ず書いていた,ストラップ取付穴(ストラップホール)がついに装備されました(^^)

穴の部分をみると随分とパーツが細く強度が少し心配になってしまいますが,BE-500の場合ボタン類が本体下部に集中していることもあり,滑り止め防止にストラップを利用できるのとできないのとでは安心感や使い勝手に雲泥の差がありますから,ここは素直に喜びたいと思います。

# 同様のボタン配置のiPAQなどはボタンが下部に集中している上,本体が縦に長細くしかも表面が滑り易かったたため,ストラップの必要性を痛感させられたものです。 それだけに個人的には嬉しさもひとしお(^^;

あとはただただ,Pocket PC 2002搭載マシン(英語版はE-200として発表済み)でも引き続き装備されていることを祈るばかりです。

# と思いましたが,なくなっている模様です(嘆息)

リセットスイッチ

リセットスイッチが本体背面から本体左側面(従来アクションコントロールのあったあたり)に変更になっています。
これはPCカードジャケット装着時などに押せなくなることを想定して,側面に移動したものと思われます。

やや後ろ向きの態度のような気もしますが,爆遅になったらリセット。調子が悪かったらリセット。とりあえずリセット。というユーザの需要を的確に把握してくれているわけで評価できるポイントですね(爆)

# 無論ジャケットに穴が空いるため,リセットボタンはちゃんと利用できます。

スタイラス

本体の小型化に伴って細くなりました。
しかしながら,重量自体はかえって重くなっていますので,扱いにくいという程でもないと思います。

ちなみに,長さの方もE-700のものより約5mm程短くなっています。

フリップ

液晶を保護するためのフリップ(フタ)がついにつきました。
装着したままでもクレードルに抜き差しでき,裏側にナイロン製(?)の足がついているため,本体に傷が付くこともなく,ボタンが間違って押されてしまうこともありません。

一応,単純ながらロック機構(ツメ程度ですが)が設けられていて,液晶画面に対するひさしのような感じに固定できるのですが,固定が甘くフとした弾みで簡単に閉じてしまう点は,実用性の面でやや疑問が残るところでしょう。

また,素材自体もあまり丈夫なものではないので,圧力をかけると簡単にたわむあたりが気になる人もいそうな雰囲気ですね(^^;

# 個人的にはたわんでも,フリップが割れない限り液晶面に接触することはなさそうだと感じました。

付け加えるなら,せっかくフリップが付いたのですから,液晶画面やハードボタンをタップすると電源が入るような『設定ができても』よかったなという気もしますね。

ちなみに私自身としては,本体裏側に回せないようなフタは邪魔なだけですので,一度試しに取り付けたあと早々に外してしまいました(^^;

長年フタのないEシリーズを愛用してきましたし,CASSIOPEIAはプラスチック筐体な分,液晶がやや奥まった位置にありますから,個人的にフタが必須と感じたことはありません。
ただ,鞄に入れる場合などにフタが欲しくなることは容易に想像できますから,今回のフリップ装備はある程度評価できる変更点であるといえると思います。

ACアダプタ

E-7x0と型番が変わっていますが,外形寸法仕様ともに変更ありません。
型番変更はMADE IN JAPANがMADE IN CHINAに変わったことに伴う変更のようです。

BE-500が失ったもの

従来のEシリーズと比較して,アクションコントロール,サイドのボイスレコーダボタン,内蔵スピーカ,赤外線ポートなどが無くなりました。

片手でのデータ閲覧などに威力を発揮したアクションコントロールやボイスレコーダボタンが廃されているのは正直残念な所です。

加えて,私のメイン母艦は赤外線ポート付きのノートPCということで,ちょっとしたデータ同期がケーブルレスでできなくなったことも非常に不便を感じていますが,昨今ではノートPCでも赤外線ポートが省かれる機種が増えてきており,これはある意味時代の趨勢ともいえるのかも知れません。

# ただし,ThinkPadシリーズはWorkPadとのデータ交換を意識してか,WinXP搭載モデルからX22などで赤外線ポートを復活させてきていますが。

私の持論として,Bluetoothが本格的に普及する前のいわば過渡期(?)にあたる今こそ,赤外線通信の価値が生きる時だと考えていただけに,残念でなりません。

# ついでにいうと,CE機とPalm OS搭載機間の赤外線通信もオンラインソフトの充実によってようやく実用になりつつあった(らしい)んですけどねぇ(^^;

また個人的には,内蔵スピーカが無いことも旅先のホテルや自宅トイレ(笑)などで,ちょっと音楽を聞いたりムービーをみるときには重宝していたこともあって,物足りなく感じる点です。

それと充電インジケータが満充電時に色が変わらず消灯する仕様に変更になり,アラームインジケータも省略されています。

# サイレントアラームを利用したい人には致命的な仕様変更かも知れません。

まぁ,どの装備も人によっては無ければないで全く不自由しないものばかりですので,真っ先に省略されたのもやむを得ずといったところでしょうか(苦笑)

# そういえばマイクもないですねぇ(^^;

ソフトウェア編

さて,ざっとハードウェアについて書きつらねてきたわけですが,ここからはいよいよラジェンダをPocket PCと明確に分けているソフトウェアに関して触れていこうと思います。

OS全般

BE-500の画面構成
BE-500の画面構成
パワーマネジメント設定
パワーマネジメント設定

画面構成

アプリケーションなど,通常の画面構成ですが,Ps/PCに似た構成になっています。
画面最上部にツールバー件メニューバー(カシオバーとかいうらしい(^^;)が,画面最下部にはタスクバー(システムトレイ)が配置されています。
タイトルバーが省かれているため,起動中のアプリケーション名が分かりませんが,画面を見れば大抵の場合判断できるでしょうから,省スペースの観点からいえば妥当な措置だと思います。

また,タスクバーには左から順に,メモリアクセスインジケータ,タスクトレイ,CFインジケータ,ダイアルアップインジケータ,電源(バッテリ)インジケータ,入力パネルボタン,時計が表示されます。

メモリアクセスインジケータは意味は違えど,砂時計の親戚のようなモノと思っておけばよいでしょう(ただし稀に例の砂時計も表示されますが(汗))。

なお,本機ではメモリアクセス中は電源が切れないようになっていますので,電源断までタイムラグが発生する場合があります。

ちなみにタスクトレイは30個まで表示可能(らしい)ですが,表示領域は4つ分なので4つ以上はスクロールタブを利用することになります。

タスクトレイが用意されていることからも分かる通り,Ps/PC用の常駐系アプリケーションも多くの場合問題なく利用できるようです。

CE機としてはこれまた初めて,『まともにバッテリインジケータ(3段階)が常時表示される』点は注目に値しますね(苦笑)

そして,みた目に関して最も注目すべき点としては,標準のフォントがMSゴシックからCASIO独自(と思われる)CAゴシックに変更されています。
縮小表示などを行ってもつぶれにくく,個人的には視認性に優れているような印象を受けました。

# 字面は好みが別れるとは思いますが(^^;

コントロールパネル関連

設定(PCのコントロールパネルに相当)は,各設定項目が並んでいるページこそ,本機のトップメニュー(後述)ライクな外見をしているものの,各設定項目の内容自体はPocket PC…というかPs/PC時代のCASSIOPEIAそのものといってよいぐらいに酷似しています。

一度CE機を使った人であれば,何の違和感も無く利用できるでしょう。
異なる点としては右上のOKボタンが『終了ボタン』になっている程度です。

# せっかく筐体にESCボタンが用意されているにも関わらず,設定変更を反映させずにESCで抜けることができないあたり,そんなところまで似てなくてもいいのにといった感じですが(苦笑)

目を引く点としては,ActiveSyncを利用しないため,事前にデバイス名を設定する必要がないこと,PCの画面のプロパティのデザインタブに相当する『画面デザイン』という項目が設けられており,画面の配色を8パターンから選択できることと,『ユーザ辞書』として単語登録をサポートしている点くらいでしょうか。

# さらっと書いていますが,単語登録をサポートしているという点は称賛に値するでしょう。

# いや,WindowsCEでなければ搭載されていて当たり前の機能なんですけどね(苦笑)

# ちなみに品詞の設定などはできません。

なお,パスワードはPocket PC同様,4ケタの暗証番号形式になっています。

ローマかな/英数 入力パッド
ローマかな/英数 入力パッド

IME関連

IME…はPalm-sizeデバイスの場合直接見えませんので,この場合は入力パッド(SIP)ということになるわけですが,標準で『50音/英数』『ローマかな/英数』『手書き認識』が用意されています。
この内,手書き認識に関してはシステムに直接組み込まれているわけではなく,アンインストールが可能です(ただし本体専用アプリなのでCFなどにインストールすることはできません)。

私の感想としては,正直どの入力パッドもあまり出来はおよろしくありません(苦笑)

『http://』や『www.』そしてURLとしてドロップダウンリスト※で『.com』『.net』『co.jp』『.ne.jp』『.or.jp』が一発選択できる点は評価に値するのですが,50音とロマかなのパッドがそれぞれ用意されているにも関わらず,どちらの入力パッドも初期設定が日本語入力になっているのは理解に苦しみます。

※ ソフトキーボード上にさらにドロップダウンリストが展開します。

しかも,では50音の方の英数キーボードはアルファベット順のものが装備されているのかといえばそんなことはなく,単に同じくQWERTY配列のソフトキーボードになっています。

一応,標準搭載ソフトであれば,入力ボックスの種類によって自動的に英数に切り替わるのですが,従来のPs/PCのアプリケーションなどではいちいち英数に切り換えた後,さらに半角に設定しなければアルファベット入力をすることができません。

さらに一応従来通りソフトキーボードからのキーボードショートカットには対応しているのですが,Ctrlキーがカタカナキーと共用(英数にするとCtrlになる)のため英数モードに切り換えないと利用できないのも不便です。

それと,この辺りを気にする人は少なそうですが,ShiftとCtrlを利用したファイルの複数選択やShift+カーソルでの範囲選択ができなくなっています。

# ただしATminiPlusなどを利用すれば可能なことから,ショートカット自体がなくなっているのではなく,ソフトキーボード側の問題であることが分かります。

閑話休題。

前述のURL入力補助機能などはとても便利なのですが,その分入力パッドが画面に占める面積が増しているのはいただけません。 ただでさえ狭い画面がさらに狭くなってしまいます。

# 加えてPocket PCのようにアプリケーション側がSIPの展開領域分リサイズされるといったこともできないようなので,問題はわりと深刻です。

そして,これは画面が小さい分キー数を減らさざるを得なかったのでしょうが,記号モードに切り換えないとアスタリスク(*)や\マークが入力できないのも不便ですね。

# まぁ,Pocket PCのソフトキーボードも素直に\記号ではなくバックスラッシュキーになっている辺りも,どうかと思いますが(バックスラッシュ=\ってパワーユーザでもなきゃ分からないでしょうに)。

また,Ps/PCやPocket PCであれば文節の区切り直しは画面をドラッグすることで行えたのですが,本機ではこれが出来なくなっており,代わりに文節区切り直し用のボタンが用意されているのも,操作性の面でややマイナスかなといった気がします。
さらに,この仕様によって文字入力中と文字変換中で一部のキーのキーアサインが(大胆に(^^;)変わるのもユーザ側の混乱を招くのではないかと心配になってしまいました。

# カナ,英数,空白,記号,←,→,↑,↓が,カタカナ確定,ひらがな確定,変換,単漢字変換,文節移動り左,文節移動右,文節区切り左,文節区切り右キーにそれぞれ変化します。

ちなみに手書き認識の認識精度に関しては,使い込みが浅いため断言はできませんが,お世辞にも優秀とはいえず,Pocket PC搭載のものの方がずっと認識精度が高いように感じられました。

# 手書き認識の認識候補選択は従来通り,画面タップによるドロップダウンリストから行うことができます。

# また,手書き認識のタイムアウト値を設定できないのも非常に不便に感じられますね。


そして本機の入力パッドで何より致命的な問題は,すでに動作速度の項でも触れましたが,入力パッドを初めて展開する際ワンテンポ待ちが入ります。

# リセット後初めて入力パッドを展開する時や別種の入力パッドから切り換えて初めて展開する時など。 同じ入力パッドを継続して使っているなら電源のON,OFFは関係ありません。

入力パッドを展開する時というのは,ユーザ側は『さぁ文字を入力するぞ』と身構えているわけで,ここでワンクッション入ってしまうのは著しくテンポを乱すため,どうしても全体的な印象が悪くなりますから,何を置いてもここだけは頑張って欲しかったというのが正直な感想です。

# E-500でComPOBOXを展開したような感じ…といえば分かってもらえるでしょうか。

メモリ構成

メモリ構成は特殊なCE機の中でも,輪をかけて特殊な構成になっています(^^;

本機ではデータをFlashROMに保存することによって,バッテリー切れの際にも保存データが消えない仕組みになっています。

これによってバックアップ用のコイン電池が不要になり,仮にバッテリ切れを起こしても保存データの心配をする必要がないという安心感はありがたいものがあります。

# 複数のCE機を使い分けていると,ふと気づくとバッテリー切れでフルリセット状態なんてことも頻繁にありえますから,そういった面ではパワーユーザにも恩恵が…(^^;

また,標準搭載ソフト類がFlashROMにインストールされている関係で,不要なソフトをアンインストールしてしまうことができる点も目新しいポイントといえるでしょう。

# 手書き認識とソフトモデムもアンインストールできます。

さらに本機では,RAMに比べて読み書きの遅いFlashROMの欠点を克服するべく,FlashROMに保存された内容をいったんRAM上に展開後実行するという他機種に見られない機構を取り入れています。

# 本機をリセットした際よくよく観察していると,リブートを2回行っているかのような挙動を取る所をみると,Flash上から一端起動したあと,RAM上で再度起動し直しているのかも知れません?

具体的には,ルートフォルダ直下に『Nand Disk』というフォルダが用意されており,これがFlashROM領域ですので,ユーザはこの下にある『My Documents』や『Program Files』といったおなじみのフォルダにファイルを保存することになります。

互換性維持のためか,ルートフォルダにも『My Documents』や『Program Files』フォルダが用意されていますが,こちらはRAM上にあるため本機をリセットした際に初期化されてしまいます。

# マニュアルにも,保存する必要のあるファイルはNand Diskフォルダ下に保存するよう注意書きがありました。

そして,上記『\Nand Disk\Program Files』フォルダに入れたプログラムファイルはルートフォルダ直下にある『Program Disk』に一端コピーされてそこから実行される形になります。

# ただし,PocketWZ Editorなどのように起動フォルダ下に情報ファイルを保存するようなタイプのソフトをそのまま『\Program Disk』フォルダから起動すると,リセット後情報ファイルが削除されることにもなりかねませんから,『Nand Disk\Program Files』フォルダ下のファイルを明示的に実行してやる必要があると思われます(^^;

# なお『\Nand Disk\Program Files』フォルダはデフォルトのサーチパスに入っているようですので,DLLなどの共有ファイルを入れる場合,ここかそのDLLに依存するプログラムを入れたフォルダ(=起動フォルダ)に保存するとよいでしょう。

なお,上記のような構造になっているため,FlashROM16MBのRAM16MB搭載とはいっても,実際にはRAMも初期状態で4割程度消費されてしまうため,実質的に利用できる空き容量は記憶(FlashROM)に8MB,実行領域(RAM)に8MBといった感じで,E-55などのRAM16MBの機種と同等程度に考えておいた方がよいかも知れません。

メニューソフト

トップメニュー カードタブ
トップメニュー カードタブ

BE-500のユーザインターフェース中の要ともいえる部分が,このトップメニューと呼ばれるメニュー(ランチャ)ソフトでしょう。

Pocket PCのToday画面(やPs/PCのデスクトップ)のような感じで,操作の起点になるソフトです。

# トップメニューを(オンラインソフトなどで)強制終了しても,画面(トウフ状態のデスクトップ)をタップするとトップメニューが再起動します(笑)

見ての通り本体とカードの2つのタブを持った,リスト型のメニューソフトです。
操作性は極めてシンプルで,目的のアプリにフォーカスを合わせ(タップorカーソル移動),再度タップもしくはOKボタンを押すことで登録アプリケーションが起動します。

と,こう書くとダブルタップのようですが,正しくはシングルタップ×2(選択後,実行)なので,タップする間隔は関係関係ないため,誤動作も少なく初心者にも利用しやすいインターフェースといえそうです。

# メニューの上と下がつながっていない(最上段と再下段でジャンプできない)ので,登録アプリケーションが増えてきた場合,カーソルボタンを使って選択する時にやや不便ですが。


登録アプリの並び替えもアプリ選択後,左上の編集メニュー(ドロップダウンリスト)から,アイコンの移動を選択後,入れ換えたい位置をタップするだけ。
さらに『アンインストールも同様の手順で』アプリ選択後,編集メニューからアプリケーションの削除を選択するだけ(無論確認ダイアログは出ます)と非常に直感的に行うことができます。

# アイコンメニュー右ハジのユーザーキーへのプログラム割り付けも,ほぼ同様の操作で設定可能です。

アプリケーションの登録に関しては,本体タブ側はインストーラ付きのアプリケーションを(母艦側から)インストールしてやることで,自動的に登録されます。

# この時レジストリに設定を書き込んでいるため,手動で本体タブ側にアプリを登録するにはレジストリ操作を行う必要があります。 関連記事はこちら

対して,カードタブ側はCFなどのストレージカードを挿入した,時点で『\Storage Card\Program Files』内(一階層下まで有効)の実行ファイルを自動検出して登録が行われます。

したがって,インストーラの用意されていないアプリケーション(主にPs/PC用のオンラインソフトなど)は,ストレージカード側に導入するのが初心者には分かりやすくてよいでしょう。

# 逆説的にいえば,その辺の仕組みが十分に理解できる人なら,挿入時の検出待ちを短縮するべく\Storage Card\Program Filesは空にして,他のランチャを利用するという選択肢もアリなわけですね。

ちなみに,インストール情報は本体タブ側の登録を除けば,レジストリは利用していないようで,Program Filesフォルダ内にアンインストール情報ファイル(実体はテキストファイル)を保存するだけのようです。

ただし,アンインストール時にインストールフォルダも自動削除するようなので,複数のアプリケーションが同一フォルダに入っていた場合,削除されるケースがあるようですので注意が必要かも知れません。

# Tillanosoft l'agenda packの旧版(?)で確認。

# 手動インストールしたものについては,同様の手順でアンインストールしても,単に実行ファイルのみが削除されます。

また,メニューソフトとは直接関係ありませんが,ストレージカード側のアプリケーションを実行中にストレージカードを抜くと『CFカードエラー』ダイアログが表示され,強制終了する必要がある旨通知されるので常駐ソフトなどの運用には注意が必要でしょう。

# この処理自体はフールプルーフの面から,注目すべき措置だと思います。

# もっとも,私の場合captceなどを終了させるのに利用していたりもしますが(笑)

なお,手持ちのmicrodrive(1GB)を挿入してみた所,動作自体には問題はなかったのですが,トップメニュー側でプログラムの自動検出に失敗するケースが多く見られました。

リセット直後などには認識できるようですが,電源投入時の検出などでは失敗する確立が高いようです。
microdriveを利用する場合は,別途ランチャソフトを用意した方が便利に利用できるでしょう。 当然未保証の行為ですが。

# さらにヤクザな方法としては,トップメニューをmicrodriveの検出に成功するまで(タスクマネージャで)強制終了するという手も…(^^;

追記

新たに公開された『CASSIOPEIA アップデートパック Ver.1.00(JP) 』を適用することでmicrodriveの認識が問題なく行えるように改善されました。 また同アップデートの適用によってPALDIO611Sによる通信も問題なく行えるようになるそうです。

シンクロソフト

PC接続
PC接続
データ同期設定
データ同期設定
同期詳細オプション
同期詳細オプション
フィールドマップ
フィールドマップ

本機はPCとの同期にMicrosoft純正のActiveSyncではなく,PUMA TECH製のIntelisync SDKを利用したカシオの独自開発ソフト『PC接続』(これまた直なネーミング(^^;)を利用することになります。

# Handheld PC(以下H/PC)やPs/PC時代にIntelisyncを利用していた人には 分かりますが,かなりまんまなインターフェースになっていたりします(^^; この辺の記事と画面キャプチャを比較してみてください。

特徴としてはActiveSyncと違い母艦とCE機間でパートナーシップ登録を必要としないため,初心者にも利用しやすい(=理解しやすい)点などをあげることができるでしょう。

# 従ってデバイス名の設定も必要ありません。 また同期中やバックアップ中にはその旨BE-500の画面に表示され,他の操作ができなくなる点なども分かりやすいですね。

なお,このPC接続はBE-500が接続されると自動的に起動しますが,ActiveSyncと違い自動同期はしないため,(PC接続側の)同期ボタンをクリックしてやる必要があります。

ActiveSync同様,時計の自動調整機能を持ち,予定表,ToDo,住所録,メールに関してはOutlookとデータ同期を行うことができます。
が,メモは独自形式(というか,単にTextとBMPですが(^^;)のため,残念ながらOutlookとの同期には対応していません。

# 各データ項目の選択ボタンで同期を行う母艦側PIMソフトのプロファイルを選択できるのですが,現在の所Outlookにしか対応していません。 Organizerなど非Microsoft系のPIMソフトとの同期が実現するとよいのですが…

同期可能なフィールド内容はOutlookと完全互換ではないため,PC接続の(各同期データ項目の)フィールドマップで,マッピングを設定変更することも可能になっています。

# 詳しくは本ページ末尾のおまけ参照。

ただ,パートナーシップが必要なく初心者にも扱いやすいのはよいのですが,同期速度がかなり遅め(控え目にいってシリアル接続程度?(^^;)な点には不満を覚える人も多そうです。

# InteliSyncはパートナーシップ関係を必要としない分,全ての同期項目を同期の度に馬鹿正直に比較するので,BE-500側に保存されたデータ項目が多い程同期速度が低下するようです。

# BE-500は本体メモリも小さいですから,必要最低限のデータ同期にとどめた方が色々と幸せになれるのではないかと(^^;

# 私の場合,上記に加えて,連絡先(や後述のフォルダ同期)などは普段は同期チェックを外しておき,データを追加した時のみチェックを入れてやる形で運用しています。

また,モバイルのお気に入りの同期にも対応していませんが,こちらは後述のファイル同期設定で母艦側のIEのお気に入りフォルダとBE-500側の『\Nand Disk\My Documents\Book Mark』フォルダを同期してやることでブックマークに関しては同期してやることができます。

# サイト内容を転送するには(何らかのソフトで)母艦側のローカルフォルダに取り込んだHTMLファイルを,ファイル同期でラジェンダ側に転送することで『ブラウザ(ソフト名(^^;)』で閲覧する形になります。

ActiveSyncの場合,CE機を接続した場合,『モバイルデバイス』としてFile Explorerから(CEデバイスをストレージデバイスとしてマウントするような感じで)直接ファイル操作を行うことができましたが,PC接続の場合こうしたことは一切できなくなっていますので,ファイルを転送するにはCFなどの外部ストレージを利用しない場合,ファイル同期を利用して転送してやることになります。

その代わりファイル転送設定はActiveSyncと違い柔軟に設定することが可能で,PC用のフォルダ同期ソフトと同じような感覚で母艦側とBE-500側の任意のフォルダを1対1で対応させる形で,複数のフォルダに対して同期設定を行うことができます。

# が,同期速度はお世辞にも高速とはいえないので,不必要に複数のフォルダを同期するのはお勧めしかねますが(^^;

このファイル同期設定ですが,母艦→BE-500,BE-500→母艦,母艦←→BE-500といった具合に同期方法を選択することが可能です。
ただ,母艦←→BE-500のような同期設定を行った場合でも,ActiveSyncのようにファイル削除が自動反映されるようなことはありません。

極々単純に双方のファイル内容を比較して,タイムスタンプの新しいファイルを古いファイルに対して上書きを行うだけですから,両方同時にファイルを削除しない限り,同期フォルダ内からファイルが削除されることはないわけです。

# 単純ですが,その分(ソフト側の謎の)同期ミスなどでファイルが削除されることがない(=余計なことをしない)分,初心者のみならず,パワーユーザにもかえって使いやすいのではないでしょうか。

さらに,ActiveSyncと同種のソフトということで気になるのが,同期時の競合ですが,私の環境では現在のところ致命的な問題は発生していません。

両者をインストールした母艦に対しBE-500をUSB接続した場合,ActiveSyncの方が先に反応するため,『PC接続』側がBE-500を認識できなくなってしまいますが,ActiveSyncの[ファイル]→[接続の設定]の『USB 接続をこの PC で有効にする』チェックボックスをはずしてやることで,問題なく同期をおこなうことができました。

逆にCE機をUSBでActiveSync接続する場合は,タスクトレイに常駐している『CASSIOPEIA PC接続 Starter』を一時的に終了してやればOKでした。

ちなみにこのPC接続 StarterはActiveSyncと違い単に(母艦の)スタートアップにショートカットが登録されているだけなので,簡単に常駐解除することができる点も好感がもてます。

# というかActiveSyncの行儀が悪いだけともいいますが(--;

セーフモード

先に本機は標準搭載アプリもアンインストールできると書きましたが,それを読んで元に戻したい場合はどうすればよいのか不安になった人もいるかも知れませんね。

さすがにその点もちゃんと考慮してありました。

PCと本機を接続し,『PC接続』を立ち上げた状態で,付属CD ROMから全内容をリストアし,初期状態に戻す機能が用意されています。

で,この動作を行うにはなんとラジェンダを『セーフモード』にする必要があるという(笑)

なんというかこの辺りのネーミングがいかにもWindowsといった感じですね。

# ちなみにセーフモード起動はOKボタンを押しながらリセット。 なお,電源+リセットにはシステムの再ロード(デバイスの初期化からやり直す)動作が割り当てられています。

標準搭載ソフト

予定表 右上終了ボタン
予定表 右上終了ボタン
新規作成 左上戻るボタン
新規作成 左上戻るボタン

BE-500に標準で搭載されたアプリ(CASIO純正ソフト,CDからのインストール含む)は右上の終了ボタンや,新規作成orファイル選択ダイアログ(全画面)からアプリケーション本体に戻るための左上のボタンなど,一環したインターフェースが採用されており,全ての操作をシングルタップで行うことができるように配慮されており,初心者にも使いやすいものになっています。

# PIM系のソフトの場合終了ボタンを押しても,バックグラウンドに回るだけで実際に終了はされませんが,『音楽再生』や『動画再生』など一般のアプリケーションの場合は終了されるようです。 ソフトの起動が遅いBE-500の欠点を補う上で,有効な仕様といえましょう。

また,各ソフトのデータ保存に関しては,『\Nand Disk\My Documents』もしくは『\Storage Card\My Documents』配下に各アプリケーション専用のフォルダを作って保存する形になります。
一見するとPocket PCなどと同じ仕様のようですが,My Documents配下一階層下ではなく,各固有フォルダに完全に限定される(一階層下もダメ)点が大きく異なっています。

ちなみに,各フォルダ(\My Document自身を含む)は各アプリケーション上でストレージカードに初回アクセスした時点で自動的に作成されますから,Pocket PCなどのように,自分でMy DocumentsフォルダやProgram Filesフォルダを用意する必要はありません。

# というか,初心者をターゲットにするなら,この辺りの配慮は当然だと思うのですが(苦笑)

PIMソフト

Todo以外のPIM関連ソフトは,Ps/PC時代からCASSIOPEIAシリーズに搭載されてきたものと基本的には同じものが搭載されています。

# 従ってこの辺の記事が参考になるかと思います(^^;

新たに各PIMソフト間でデータを転送することができるようになっている点は注目に値するでしょう。

# スケジュール→メール,メモ,ToDo。メモ→メール。ToDo→メール,スケジュール,メモ。住所録→メール,メモ。へとそれぞれ転送可能です。

# それぞれのPIMソフトの対応するフィールド内容については,本ページ末のおまけを参照。 初搭載されたToDoが著しく使い物にならないことが分かると思います(汗) Intelisync側の都合かも知れませんが。

ちなみに,メモはシンクロソフトの項でも触れた通りOutlookとは同期できず,実体は簡易テキストエディタ+簡易ペイントソフトともいうべき内容になっています。
操作性なども素直で,扱うデータ形式もText及びBMPと極めてオーソドックスな形式で,扱いやすいソフトに仕上がっているといえるでしょう。

ただし,Pocket PCのメモと比較すると(音声はもちろん)Textと手書き文字の混在が一切できない点や,手書きモードが1画面固定で1ファイルに保存できる情報量が少なく,数十行に渡る文章を素早く手書きでメモするといった用途には向かない点など,トータルの使い勝手で大きく劣っているのは残念です。

# Pocket PCのものは一画面固定どころか,自動スクロールまでしますからねぇ(^^;

マルチメディア関連

E-500以来(改良されずに(苦笑))連綿と続く,CASIO独自のcmf形式(実体はMPEG1の音声部分を非圧縮WAVE形式にしたもの)の再生ソフトである『動画再生』とMP3の再生に対応した『音楽再生』が用意されています。

動画再生に関しては前述のBE-500流のインターフェースに小変更されているものの,E-500以降搭載されてきた動画再生ソフトと基本的には同一のものです。

# 動画再生時のバックライト輝度を設定できるのも従来通りなのですが,相変わらず省電力機能(バックライト輝度が自動で落ちる)が自動でオフにならない点に疑問を感じます(苦笑)

音楽再生も同様ですが,Pocket PCには非搭載だったため,改めて使ってみると音質も良好(MP3再生で比較した場合WMPより音質が良いような気も?)。 画面OFF時のハードウェアボタンによるコントロール(十字キー有効)もON,OFFが設定でき,上下でボリューム,左右で前曲,次曲,OKで再生と一時停止(トグル動作),ESCで停止と操作性にも特に不満は生じませんでした。

それともう一つ(存在を忘れてました(^^;)『画像ビュアー』というCASSIOPEIAのカメラカードで撮影した静止画像を閲覧するためのソフトも用意されています。

が,本体メモリにしか導入できないこと,表示可能な画像サイズがVGAまでと制限が厳しいことなど,あまり使い勝手のよいソフトとはいえません。
ただ,BMP,JPEG,GIF,PNGと比較的多くの画像形式に対応し,全画面表示(ただし,タスクバーは残ります)やスライドショーに対応している点は評価できます。

追記

掲示板上にてご指摘をいただいたので補足しておきます(^^;
上記では触れていませんでしたが,画像ビュアーはカメラカードの撮影時にも利用するため,本体の仕様になっています。
また,BE-500では他機種と違って動画を撮ることはできず,仕様的に一歩後退しているそうです(苦笑)
この情報は本サイト掲示板上にて大山さんよりご提供いただきましたm(__)m

ブラウザ
ブラウザ
メール
メール

通信関連

WorldTalk(MobileGearIIシリーズへのバンドルで有名)のOEM(らしい)『ブラウザ』とE-7x0に搭載されていたMobile E-mailer相当の『メール』ソフトが用意されています。

『ブラウザ』はE-750のそれと比較しても動作が高速で,かなりサクサク動く印象があります。
また,E-50xにバンドルされていたNetFrontと違い,ローカルのHTMLファイルも問題なく閲覧でき,LAN接続経由のブラウジングにも対応しています。
ただ,画面を自動縮小してBE-500の画面に最適化してくれるような機能が搭載されていない(厳密には上手く動作していない?)ため,横スクロールが発生してしまう点はやや残念といえましょう。

ファイルのダウンロードや画像の保存などに対応している点は,Pocket PC搭載のPocket Internet Explorerと比較しても優れた点ですね。

# この両者が搭載されているらしいPocketGearには期待大?(^^;

ただ,閲覧できるページサイズに上限が設けられており,画像が多めのページなどは読みこめないケースがあり,問題となっているようです。

# レジストリの[HKEY_CURRENT_USER\Software\Tenik\WorldTALK]配下に『MaxHTMLSize』と『MaxMemSize』というDWORD値があるので,これらを変更することで改善できる『かも』知れませんね(^^;

#  掲示板上にて大山さんよりダメだったという報告をいただきました(^^;;;

『メール』の方はマルチアカウントに対応し,設定も容易(大半の設定は通信設定側で『通信セット』として一括して設定できてしまいます)。
テンプレートなどの機能もついていますので,簡単なメールのやりとりであれば必要十分な機能を備えていると思われます。

ファイラ

標準のファイラである『ファイル管理』はPocket PCのFileExplorerライクな作りになっていますが,タップアンドホールドができない点を補うべく,各ファイル毎にチェックボックスが用意されており,ファイル選択をこれによって行うようになっています。

やや特殊な感覚ですので,慣れが必要ですが,まぁ悪くはないかと。

# 使い込む前に削除してしまったので,これ以上はコメントできなかったりして(^^;

その他の付属ソフト

主なものとしては…WordやExcelなどの各種文書,各種画像形式などを閲覧するための『Quick View Plus』,.Book形式に対応した『T-Time for BE-500』などがバンドルされています。

Quick View Plusは起動がかなり遅いものの,メールに添付されてくる各種ファイルを閲覧するのには有効なビュア。

一方,T-Timeの方はオンライン書店で販売されている.Book形式の電子書籍を閲覧するためのビュアとどちらも使いでのあるソフトですから,標準でバンドルされている点は大いに評価するべきではないかと。
機能的にも,ルビ,縦書き,横書き,行間調節,文字拡縮などに対応し,検索機能やジャンプ機能,カーソル及び画面タップによるページ送りと,ビュアとして必要とされる機能は一通り備えており,ほぼ不満の無い出来に仕上がっていると思います。

# 著作権保護の観点からか,カット&ペーストが利用できないので,辞書との連携には困りますが,まぁ,この辺りは仕方がないことと諦めましょう(苦笑)

いや,実はまだちゃんと利用していないので…(^^;

# ヒマになったらT-Timeの方はぜひ活用してみたいですね。

追記

電卓は関数電卓でこそないものの,メモリ機能など一般の用途には必要十分な作りになっています。
プリインストール済みのアプリでは唯一カード側にインストールし直すことができます。

# =本体メモリ専用アプリではありません。

オンラインソフト

起動エラーダイアログ
起動エラーダイアログ
致命的なアプリケーションエラー
致命的なアプリケーションエラー

本機のソフトウェアについて語る上で外すことができないのが,Ps/PC用各種オンラインソフト(及び市販ソフト)の互換性問題でしょう。

結論からいえば,大半のソフトがそのまま動作するといってしまってよいと思われます。
むしろ『動かないソフトを探す方が面倒』な程度には,大抵のソフトはあっさりと動作してしまいます。

が,動かないソフトも当然あり,分類すると以下のような感じになります。

※ 私はプログラミング方面は素人同然ですので,過度に信用してはいけません(^^;

1.ラジェンダが対応していないAPIを呼び出しているソフト。

高機能なソフトが抵触する傾向があるようです。
Ps/PC版のGS FinderやCE2.0版以降のPocketWZ Editor,TOMBOなどはこちらに分類されます。

# 単に必要なDLL(mfcce20.dllやolece20.dll,KCTRL.dllなど)がインストールされていないだけの場合もあるので,注意が必要です(^^;
実行すると『起動エラーダイアログ』が表示されるのはほぼこのパターンでしょう。

2.ハードウェアを直接叩いているソフト。

動作速度を稼ぐために(Windowsアプリケーションとしては)ヤクザな処理を行っているソフト… 具体的にいえば各種エミュレータや(画面処理が複雑な)ゲームなどがこれに該当している可能性があります。
実行すると『致命的なアプリケーション エラーダイアログ』が表示されるか,最悪フリーズします(^^;

3.E-50xなど各マシンの固有機能を利用しているソフト。

マイクで録音するとか,バックライトを消すとか,BE-500には存在しないハードを制御していたり,E-50x専用のライブラリを使って開発されたソフトがこれにあたると思われます。


この内,2と3に関してはどうしようもないので諦める必要がありますが,1に関してはMONO-QのQtaさんが作成されたダミーDLLを利用することで,回避できる『可能性が』あります。

本ダミーDLLは問題のアプリがDLLに含まれるAPI(アプリがOSの機能を呼び出すための命令のようなもの)を呼び出したさいに,本物のDLLに成り済まして戻り値にFALSE(処理の失敗)を返す処理を行ってくれます。

したがって,呼び出された命令が重要でなければ,問題なく動作するわけです(^^;

※ 場合によってはエラーダイアログが表示されたり,最悪フリーズする可能性があるので,各自自己責任(=最悪マシンが壊れても諦める覚悟)で利用する必要があります。

関連記事はこちら

追記

標準のファイル選択ダイアログ(コモンダイアログ)はMy Documentsの縛りもなく,BE-500の画面に最適化されたものがきちんと用意されている模様です。

総括

以上。 BE-500をハードウェアとソフトウェアの両面から駆け足でみてきたわけですが,最後に本機の長所短所を簡単にまとめつつ,そこから想定されるユーザ像をもとにしながら本機の買い診断をおこなってみたいと思います。

まず,本機の長所ですが,小型軽量なこと。 Pocket PCと比較して低価格であること。 操作が容易なこと。 などをあげることができるでしょう。

特に最後の操作が容易である点は見逃せない重要なポイントです。

標準のPIMソフトやトップメニューなど,機能を絞り込みつつ直感的なインターフェースを導入することによって,PDA初心者でも違和感無く操作することができるレベルに仕上がっている印象があります。

また,本文中では触れませんでしたが,BE-500にアプリケーションをインストールする際に母艦側で起動するインストーラが非常にシンプルで,BE-500を母艦に接続し,インストーラを起動したら,後は本体メモリとカード側のどちらにインストールするかを選択するだけで,ソフト導入後のBE-500側のリブートまでが全て自動で行われ極めて簡単にインストール作業を行うことができます。

また,トップメニューの解説でも触れた通り,アンインストールも非常に簡便です。


逆に欠点としては(長所と表裏一体なわけですが),赤外線ポートやマイク,スピーカなど削除された機能があること。 価格設定がやや中途半端なこと。 簡便な操作性の犠牲になってカスタマイズが難しいこと。 などをあげることができると思います。

特に,トップメニューにおいて顕著ですが,操作の容易さを追求するあまり,ちょっと踏み込んだ使い方をしようとした途端,複雑なファイル操作(\Nand Disk配下に保存するなど癖がある)や,レジストリ操作(アプリケーションをアンインストールしてもアイコンメニューの設定が標準の手段で変更できない)など,途端に高レベルの知識が要求されます。

この辺りの問題はPs/PC用のソフトを利用して機能強化を図る際には避けることのできない問題ですから,事態は深刻でしょう。


結果,本機は,手軽に通信やPIM機能を使ったり,PDAのマルチメディア機能を体験してみたいエントリーユーザ(=CASIOが本来想定していたユーザ層)と,いじり甲斐のあるセカンドマシンあるいは,旧式化したPs/PCの代替機を求めるベテランユーザという,いわば両極端ともいえるユーザ層にアピールするマシンに仕上がっているということができるのではないでしょうか。

ただ,ここでネックとなるのが本機の価格設定でしょう。

マシン単体をみた場合費用対効果は悪くはないと思わせるデキに仕上がっているのですが,先にあげたエントリーマシンやセカンドマシンといった用途として考えた場合,どちらも購入に踏み切る動機としてはやや弱めで,(高いお金を払ってまで)BE-500を選ぶ積極的な理由にはなりにくいのではないかという心配があります。

そう考えると本機の実買価格が3万円を切っていれば…と思わずにはいられません。

# 実際には3万5千円程度。

# エントリーユーザには必須ともいえる紙マニュアルを削って(PDF版のみ付属)この結果ですから,メーカとしては努力した結果なのでしょうが…


とはいえ。 今日のPDAに求められている各機能を実用レベルでまとめつつ,低価格を実現した本機は,創世記の頃からCEマシンに携わってきたCASIOならではの素性の良さとバランス感覚を持った素晴らしいマシンであることは間違いないでしょう。

# 詰めの甘さが各所に残っているあたりも(以下略)(^^;


本記事をここまで読む根性があり,なおかつ『面白そうだ』と感じることができたなら,貴方にとってBE-500は『買い』と思って間違いないのではないでしょうか?(笑)

おまけ1 Ps/PC用ソフト動作確認リスト 関連記事

ソフトウェアリンク集に統合されたため,特殊ケースのみ記載。

PocketWZE Editor

標準ではCE1.01用(Ver.2.0)でないと動作しないが,ダミーDLLでVer.2.07も動作。

ATminiPlus

タスクトレイアイコンを複数表示するモードで機能制限あり。

TascalGauge

ファイル選択ダイアログにやや難あり。

# BackSpaceを利用して上の階層に抜けられるので,利用自体は可能。

TasclaLHA

同上。

GSAClock

音が鳴らない(^^;

GSFinder

Ps/PC版動作不可。 BE-500対応版リリース済み。

広辞苑

ダミーDLL必須。

TOMBO

ダミーDLL必須。 編集画面からスレッド表示復帰時にエラーダイアログ。

おまけ2 PIMソフトのデフォルトフィールドマップ一覧

BE-500/Outlook

Todo

件名/件名
優先度/優先度
期限/期限
完了/完了

※ 開始日,進捗状況,達成率アラーム,アラーム日付,アラーム時刻,所有者,本文,分類項目,プライベート,終了日,予測時間,実働時間,経理情報,支払い条件,連絡先,会社,アイテムの整理無しには未対応。

予定表

内容/件名
場所/場所
開始日/開始日
開始時刻/開始時刻
終了日/終了日
終了時刻/終了時刻
予定の公開方法/予定の公開方法
アラーム/アラームの通知
アラーム日付/アラームひづげ
アラーム時刻/アラーム時刻
プライベート/プライベート
メモ/本文

※ 分類項目,出席者には未対応。

住所録

姓/姓
名/名
自宅電話/自宅電話
自宅電話 2/自宅電話 2
自宅FAX/ファックス(自宅)
携帯電話/携帯電話
ページャ/ポケットベル
PHS/無線電話
自動車電話/自動車電話
電子メール/電子メール 1
電子メール 2/電子メール 2
電子メール 3/電子メール 3
Webページ/Webページ
誕生日/ニックネーム(デフォルトは非同期)
記念日/イニシャル(デフォルトは非同期)
配偶者/配偶者
子供/子ども
勤務先/会社名
勤務先電話/会社電話
会社電話 2/会社電話 2
勤務先FAX/会社FAX
事業所/事業所
部署/部署
役職/役職
秘書/秘書
秘書の電話/秘書の電話
番地(自宅)/番地(自宅)
市町村(自宅)/市町村(自宅)
都道府県(自宅)/都道府県(自宅)
郵便番号(自宅)/郵便番号(自宅)
国名(自宅)/国(自宅)
番地(勤務先)/番地(会社)
市町村(勤務先)/市町村(会社)
都道府県(勤務先)/都道府県(会社)
郵便番号(勤務先)/郵便番号(会社)
国名(勤務先)/国(会社)
番地(その他)/番地(その他)
市町村(その他)/市町村(その他)
都道府県(その他)/都道府県(その他)
郵便番号(その他)/郵便番号(その他)
国名(その他)/国(その他)
分類項目/分類項目
メモ/本文
名前フリガナ(姓)/フリガナ(姓)
名前フリガナ(名)/フリガナ(名)
勤務先フリガナ/フリガナ(会社名)

※ 件名,口座番号,職業,支払い条件,住所(会社),番地(会社)1,番地(会社)2,私書箱(会社),コールバック,ホーム ページ(個人),通常の電話,住所(郵送先),番地(郵送先),私書箱(郵送先),市町村(郵送先)都道府県(郵送先),国(郵送先),郵便番号(郵送先),会社代表電話,ネットワーク名,カスタマー ID,電子メール 1 表示名,電子メール 1 種類,電子メール 2 表示名,電子メール 2 種類,電子メール 3 表示名,電子メール 3 種類,表題,FTPサイト,性別,ID番号,趣味,住所(自宅),私書箱(自宅),ISND,言語,上司,ミドル ネーム,経費情報,会社 ID,住所(その他),私書箱(その他),その他の FAX,その他の電話,参照事項,敬称,テレックス,タイトル,TTY/TDD,定義フィールド 1〜4,誕生日,記念日,プライベート,履歴には未対応。

# …フィールドマップのリストアップなんてやめとけばよかった(苦笑)

# Todoの対応項目が少なすぎ,あまり実用的でないのがよく分かります。